一年間の学級経営の中で、一番大事なのは、初日である。
ここで、担任の凄みをビシッと伝える。
そのために効果的なことがある。
それは、
名前を覚えて、呼名することである。
担任する学級が決まったら、名簿を見て、覚える。
ふりがなをふり、何度も声に出して、覚える。
通勤の車の中で、お風呂の中で、布団の中で、覚える。
そして、子供達を前にして、名前を呼ぶ。
「今から、名前を呼びます。呼ばれたら、『はい!』と返事をします。」
「そしたら、先生と右手で握手をしましょう。握手をしたら、座ります。」
「全員起立。」
ここまでは、子供達は普通の反応をしている。
「左手で、名札を隠しなさい。」
ここで、子供達が「えっ!?」となる。
「**##さん。」 「…はい!」 「よろしくね。」
「++$$さん。」 「…はい!」 「よろしくね。」
子供達がざわめき始める。でも、初日の緊張か、担任の凄みを感じてか、静かにしている。
途中で、「どこかに書いてあるの?」と教室を見回す子もいる。
「よし、半分まで来たな」
「まだ、こんなにいるのか。大丈夫かなあ」
そんな風に、子供達ともやり取りをしながら進める。
最後の一人の名前を呼び終わると、歓声が上がる。
ガッツポーズをしてみせる。
「本気で取り組むことの大切さ」を子供達に伝えたいのなら、語るよりも、それを見せる方がいい。
そして子供達は、家に帰って保護者にこう言うだろう。
「今年の先生、なんかすごいかも!」
初日に、子供達も、保護者達も、つかむ。
準備は大変だが、それだけの価値がある。
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